活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

ラジオ工作教室

2018-02-20

なによりラジオが好きである。存在が重くないのが良い。テレビは茶の間に鎮座している。スマホは機能が多すぎる。テレビは大きな画面と音で賑やかに迫ってくる。スマホは「私の機能を1割も使ってくれていない」と不満顔である。悪女の趣き、と言った口の悪い友人がいる。深入りは禁物だ、と。機能が音だけのラジオは、その存在を強く主張しない。「おそばに居させてください」と謙虚そのものだ。その謙虚さが良い。

先日、鹿児島市で、「大人向け」のラジオ工作教室があり参加した。生徒は10数人。学習教材用のキットをハンダ付けしてラジオを組み立てるという講座だ。作業が始まる前に、講師の先生が「市販のラジオよりも音質が良くないかもしれないが、自分で作ったラジオから聞こえる音は格別ですよ」と私たちを励ました。作業はシンプルな内容だ。しかし、生来の不器用のため、講師を煩わせた。ハンダ付けは、中学の「技術・家庭」の授業以来だ(今もこの科目はあるのだろうか)。やっているうちに、ハンダ付けも上手に(?)なってきた。最後に、スピーカーとアンテナを取り付ける。

講師の先生や隣の方の協力のおかげで、1時間後にようやく完成した。できたのはAM&ワイドFM対応のラジオだ。恐るおそるチューナーを合わせる。聞こえてきた。地元のMBCとNHKだ。期待していた以上にクリアな音質だ。作業が始まる前に、先生がおっしゃっていたことが実感できる。本当にいとおしい。市販のラジオに比べると大いに劣るが、できの悪い子ほどかわいい、のである。今日は、このラジオの開局記念日だ。

翌日、NHKラジオが開局を記念してすばらしい音楽を流してくれた。と言っても偶然なのだが。朝の番組で「五匹の子豚が五匹の子豚がラジオを聞けば・・・♪」という歌が流れてきた。「五匹の子豚とチャールストン」という昭和30年代の曲なのだ。「ラジオ」が出てくるこの歌を、身勝手にも、私のラジオへの祝福の歌と捉えた。調べてみると、この歌は昭和37年の紅白歌合戦で歌われている。「ラジオ」が歌の中に出てきたこの時代。ラジオが時代の花形だったことを示している。

以来、私は、いつもこのラジオと一緒だ。さすがに、風呂の中では防水ラジオを使うが、それ以外は、寝る時も、トイレの中までも・・・。ペットと化してしまった感がある。(文:堀之内)

写真 : 悪戦苦闘した手作りのラジオ。手前は、バレンタインデーに近所の小学生からもらった手作りチョコレートと、奄美のタンカン。

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