活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

月明かりのもと今年を振り返る

2021-10-28

10月に入っても暑い日が続き、アナウンサーが「季節外れの残暑」と何とも不可解な表現をしていた。気圧配置はほとんど夏のままで、これも温暖化のせいなのかと思っていたら、後半になり突然寒くなって秋どころか冬の気配である。アナウンサーが「体調に気をつけて」といたわってくれる。

月を眺めながらの仲間数人とのビールである。気が早いが今年の奄美を振り返っている。新型コロナは置いておくとして、なんといっても最大のできごとは世界自然遺産の登録であろう。だれも異論がなかった。世界が奄美や沖縄を認知した。「ただし」と1人が注釈を加えた。「自然だけでなく人々の生活や歴史を、これを機に振り返りたい」と。まっとうな意見にえびおじさんも賛成だ。例えば、最近知ったのだが、日本に開国を迫ったペリーは奄美にも立ち寄ったという。おそらく、奄美のおいしい水を補給したり土地の探査をして植物や昆虫の採集もしたのだろう。ハブに遭遇したかもしれない。ビールのつまみとしては、背筋を伸ばさねばならない話題である。

少しばかりくだけて、大相撲の関脇「明生 めいせい」に話が移った。明生は宇検村の隣の瀬戸内町の出身である。山ひとつ向こうの集落である。若手のホープとして着実に力をつけて、今年は小結そして関脇へと昇進した。九月場所は前半こそ黒星が続きひやひやしたが後半盛り返して勝ち越した。豊富な稽古量とスピード感のある取り口に大相撲解説者の評価も高い。

その明生の相撲に別の1人が注釈を加えた。「内容も良いが懸賞金を受け取るときの態度がすばらしい。明生はきちんとお辞儀をする」「人から何かもらうときは謝意を示すのが当然。相撲が神事たる所以なのだ」と少し興奮ぎみである。確かにそのとおり、謙虚な姿は見ていて気持ちがよい。前場所では8回だったこの清々しい場面を11月場所はもっと見てみたい。

もう一つ出てきた話題は、地元の大島高校の野球部が秋の県大会で優勝したことである。離島は何かにつけてハンディがあるのは周知のこと。練習試合にも事欠くだろう。それらを乗り越えての優勝に島は沸き立った。以前、大島高校は21世紀枠で甲子園出場を果たしているが、再びの甲子園も視野に入る。野球部のモットーは「エンジョイング・ベースボール」とのこと。論語の「これを好む者は、これを楽しむ者に如かず」である。

野球つながりでもう一つ。鹿児島・いちき串木野市の神村学園の「泰 勝利<たい かつとし>投手」がドラフトで楽天から4位で指名された。泰選手も瀬戸内町の出身だが、中学時代は野球部がなかったため両親や姉が練習相手だったという。テレビでも全国に放映されていたが、揺れる船の上でシャドーピッチングをしたりして体幹を鍛えたという。「不利益がさらに不利益をもたらす」とつい愚痴をこぼしたくなる離島だが、奄美は本来が努力家の多い刻苦勉励<こっくべんれい>の島なのだ。泰選手の活躍を期待したい。

月が煌々とおじさんたちを照らしている。強~い高気圧が居座ったおかげか、この秋は奄美に台風が来なかった、まだ分からないが。静かに静かに季節が移ってほしい。    <えびおじさん>

追伸  ひとつ特筆すべきことがある。実は新型コロナの感染者は宇検村は今もって1人も出ていない。このまま終息することを祈っている。

月がかかる夕暮れの枝手久島

 

 

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