活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

吾輩は黒猫である 名前はクロちゃん・・・らしい

2021-07-08

サザエさんちの猫のタマはどうして海に因んだ名前じゃないのだろうかと首をひねっていた土曜日の午後、どこからともなく本物の猫がやって来た。そして、1週間たった現在、えびおじさんの庭に居ついてしまっている。それこそ、猫の額ほどの庭である。

「魔女の宅急便」に出てくるジジのように真っ黒な猫だ。まだ子猫だが赤ちゃんというほど小さくはない。しかし鳴き方がおぼつかない。にゃ~んというよりみゃ~みゃ~である。か細い。鳴くというか泣いているというべきか!目やにがいっぱいついていて、取ってやりたいが、近づくと逃走する。でもエサは欲しいらしい。駄犬ベリーのドッグフードをやることにした。口に合うようでよく食べる。

このことを知り合いにMailしたところ「ドッグフードを食べてもすぐには犬になりませんから、ご安心を」とおちょくった返事が来た。

キャットフードではなかったが、昔のニャンコ飯に比べたらドッグフードははるかに上等の食事のはずだ。「やったあ~、ドッグフードだ!」と心の中で快哉を叫んだかもしれない。ドッグフードとキャットフードの違いはどこにあるのだろうか。直接尋ねたほうがよさそうだ。やっぱりキャットフードがいいと言うかもしれない。

「お前はどこからやって来たの?」と尋ねても「分かりません!」とかぶりを振るばかり。 みゃ~みゃ~という鳴き声からすると名古屋方面か、というのは冗談だが、ご近所の猫が噂を聞きつけてえびおじさんの家に楽園を求めて来たのか、それとも気まぐれ旅に出たものの道に迷ってしまったか。家では母猫がご飯も食べず<食べながら>に帰りを待ち詫びていることだろう。

そのうちに慣れてしまったようで、エサを食べたあとはゴロンと横になってくつろいでいる。欠伸をするゆとりも出て来た。ドッグフードを食べて少し大きくなったような気もする。命名した覚えはないのだが、えびおばさんは既に「クロちゃん」と呼んでいる。

童謡では「犬は庭で遊び、猫は部屋の中にいるもの」と相場が決まっていたが、令和のえびおじさんの家では逆転してしまっている。ベリーは家の中からクロちゃんを眺めている。「冬場の寒いときでなくて良かったな、お前は」と声をかけたくなるが、寒かったら出歩くこともしなかったろうと思い直している。

猫は家につくというが、ここが気に入ったのだろうか。クロちゃんの、のんびりとした様子、周囲に頓着しない姿はうらやましくもある。

クロちゃんはどんなことを思っているのだろうか。明日に思いを馳せるのは人間だけだという説がある。だから思い煩って心が病んだりするのだ、と。その点、動物は今を生きることに一所懸命でそこまで思いが至らないという。ひょっとしたら「明日は明日の風が吹くさ」と悟りの境地かもしれない。

クロちゃんは考えているのだ。「人間たちは明日を思うかもしれないが、僕たち動物は未来を思っている。だから地球を汚すようなことをしないよ」と。でも「そんな難しい話はやめて、少しでいいからえびを食べてみたいよ」と、案外、こんなところかもしれない。

知り合いから再びのMailである。「黒い猫は穏やかで人懐っこい性格」らしい。毛の色がキャラクターに重要な決定をもたらすとは知らなかったが、もし、そうなら、えびおじさんと仲良くやっていけるかもしれない。えびおじさんの目下の課題はクロちゃんの目やにを取ってやることだが、まだ触れさせてくれない。  <えびおじさん>

 

 

 

一覧に戻る→