活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

ドラゴンの夏到来

2020-07-31

7月半ば過ぎ、いまだ明けぬ梅雨を逃れて鹿児島本土から奄美に行く。鹿児島空港からジェット機で1時間。奄美空港に到着する。梅雨明けの奄美はあきれるほどの青い空である。ここに洗濯物を干したら、Tシャツも大喜びだろう。こんな風に当たりたかった、と快哉を叫ぶかもしれない。天気が良いとはこういうことなのだろう。

本土もそうだが、今年の奄美の梅雨明けは非常に遅く7月20日だった。なんと、平年より3週間も遅い。5月10日に梅雨入りしてから72日間も雨の季節だったのだ。

「にわか予報士」のえびおじさんは「梅雨前線を押し上げる太平洋高気圧の勢力が弱く、しかも東にズレている。だから、前線が斜めに傾き、列島沿いにずっと停滞している。」と、わが家の愛犬<駄犬でもあるが>ベリーに解説するのである。我慢して聞けばビスケットをもらえると先刻承知なので、そわそわしつつも、長い解説に耳を傾けている。

コロナ禍と大雨という二重苦の日本列島である。コロナの感染が始まって半年が経つが収束の見通しはなかなか見えない。むしろ勢いは増しているように思える。ということは、半年後、1年後もこのような調子だろうか。1年延期になった「TOKYOオリンピック」は開催されるだろうか。私たちの日常のことがらは、すべて、コロナにお伺いを立ててからである。学校も会社もイベントも旅行もままならない。吞み会だってずっとご無沙汰である。メリハリのない2020年前半である。

コロナ発生のメカニズムはいざ知らず、今年を含めてこの数年の異常な大雨は、どう考えても地球温暖化による気候変動のせいだろう。これまであまり水害に縁のなかった地域でも大量に降っている。日本付近は温暖化で水蒸気があふれている状態らしい。ちょっとしたことで、この水蒸気が雨に変わるのだろう。温暖化は文明の行き過ぎがもたらしたものである。自然をいじり尽くした人間の自業自得というものだろう。

さて、梅雨明けした奄美である。自然のすばらしさをあらためて感じる。朝はアカショウビンの鳴き声で目が覚める。焼内湾を囲む、あちらの山、こちらの山からのアカショウビンの絶え間のない輪唱である。みごとな野外コンサートに拍手を送りたくなる。これを聴きたくて宇検村を訪れる島外からのお客さんもいるらしい。

朝もやの中、人々が海岸を散歩している。ときおり魚が飛び跳ねる。

夜は、まさしく降るような星空である。星の粒が本土より大きいような錯覚に陥る。

奄美はフルーツの季節でもある。この時期、パッションフルーツが終わりを告げ、一方でドラゴンフルーツが出始める。端境期のこの時期はどちらも楽しめるというわけである。

パッションフルーツを半分に輪切りにして黒糖焼酎を垂らすと、これがうまい。パッションフルーツの爽やかさと、甘い香りの黒糖焼酎が絶妙にバランスする。すぐさま桃源郷に行けること請け合いである。

武道は礼に始まり礼に終わるが、ドラゴンフルーツは赤に始まり白に終わる。赤が先に市場に出回り、しばらくして白が出てくるのである。赤、白というのは果肉の色のことで食感は少し異なる。ただし、外側の皮の部分はほとんど同じでちょっと区別がつきにくい。どちらもおいしいが、えびおじさんはどちらかと言うと白である。赤にしろ白にしろ、朝のドラゴンフルーツは、前夜の暴飲暴食で弱った胃をやさしく掃除してくれる、ような気がする。

ある日、えびおじさんの家では、こんなことがあった。愛犬ベリーを預けている動物病院から電話がかかってきた。「トリミングをしていたら赤いオシッコが出たんです!」トリマーのお嬢さんがビックリした様子で報告する。電話を受けたえびおばさんは、さもありなん、と冷静な声で事情を説明した。実は、その日の朝、えびおじさんが、朝食の「赤のドラゴンフルーツ」をベリーに少しだけおすそ分けしたのだ。本当はドッグフードだけなのだが、せがむベリーに根負けしたのである。

動物は、食べ物の色は吸収しないでそのまま通過させてしまうらしい。オシッコとともに、ウンチにも赤いものが混ざっていたようだ。このことは人間にもあてはまり、えびおじさん自身もびっくりしたことがある。吸収しないと言えば、匂いもそうだ。コーヒーを何杯も飲んだときの尿はかすかにその匂いがする。もっとも、ベリーはコーヒーを嗜まないので、こちらの研究成果はまだ出てきていない。いつまでも、世話の焼けるベリー・・・、いや、世話の焼けるのはえびおじさんの方、である。

まもなく、全国的に梅雨明けになるだろう。本格的な夏到来である。そして、台風の季節でもある。被害の少ないことを祈りたい。 <えびおじさん>

赤のドラゴンフルーツ

 

 

 

 

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