活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

新聞雑感

2020-06-05

えびおじさんの若い頃、電波メディアであるテレビやラジオと、活字メディアである新聞との違いを友達と話す中で、新聞は弁当が包める、火を熾<おこ>すときに役立つ、といった冗句で笑ったことがある。水洗でない頃にはトイレの必需品だったという話まで飛び出した。

えびおじさんの体験はそれよりは上品?だ。若い頃、引越しをするにあたって、荷物を送り出したまでは良かったが、その夜泊まるところを確保していなかった。あちゃ~、である。ホテルに泊まる金はもちろん持ち合わせていない。がらんとしたアパートの部屋で一晩を過ごすことになったが、灯りはない、春のことで寒い。灯りがないのはしょうがないとしても寒さには参った。「困った困った、こまどり姉妹。しまったしまった、島倉千代子」。えびおじさんの友人がよく使う冗句だが、こんな冗句はさらに寒さが募る。

そこで思いついたのが、以前、聞いた「新聞紙を体に巻くと温かい」である。数枚重ねて試してみると、そこそこに温かい。うつらうつらしつつ、なんとか朝を迎えることができた。新聞ならぬ新聞紙のおかげである。えびおじさんが、新聞の有用性のトップに「暖房の役目を果たす!」と頭に刻み込んだのは言うまでもない。何新聞だったかは記憶にない。

新型コロナウイルスの拡大・蔓延で学校が休校状態になった。子どもたちの家庭での過ごし方はさまざまだ。コロナ騒ぎの思わぬ副産物として、読書や新聞を読むことに目覚めた子供がけっこういるらしい。新聞の読者欄にそのような子供の投書が掲載されていた。それはすばらしいことだが、最後の「新聞のおかげで自粛という漢字が書けるようになった」のひと言には思わず涙ぐんでしまった。

知識や情報収集も含めて、新聞を読むことは社会人としての基本的な態度と教わった気がする。今や、さまざまなメディアの出現で新聞を読む人が減っているそうだ。

60年以上前、テレビが出現したとき新聞はなくなると噂されたが、そういうことにはならなかった。今やスマホ隆盛の時代だが、やはり新聞がなくなるとは思えない。フェイクなニュースが横行するネットの時代に、新聞は情報の信頼性と多様性で力を発揮する。

否応なく早起きしてしまうえびおじさんは新聞がやって来るのを待ち構えている。すべすべした紙の感触、今はあまりしなくなったが、インクの匂い。新聞配達の方、毎朝、ご苦労様です。 <文:えびおじさん>

新聞紙飛行機に乗って

 

追伸  夜、テレビの製薬会社のCMの「部分入れ歯・・・」が「セブンイレブン」に聞こえた。昼の作業で疲労困憊<ひろうこんぱい>のえびおじさんだったのである。

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