活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

島ニンニクで地域おこしを

2019-12-24

今年も残り少なくなってきた。北風が吹き始めたある日、宇検村の阿室<あむろ>地区に、フィンガーライムの後藤恭子さんを訪ねてみた。かつて紹介したように、後藤さんは、柑橘<かんきつ>の生産農家である。農場の名前は<スミューファーム:Smew Farm>である。特にフィンガーライムに力を注いでいる。

植えてあるフィンガーライムは現在およそ100本、ほかの柑橘類を含めるとおよそ300本である。後藤さんは、果実の出荷とともに、接ぎ木した苗も販売している。全国からの問い合わせに忙しい毎日だ。

多忙にもかかわらず後藤さんは新しいことに挑戦している。農産物の加工場を自前で完成させたのだ。今年初めのことだ。柑橘類の栽培・販売に飽き足りず、ということだろうか。実は、後藤さんには、フィンガーライム以外にも思い入れの強い作物があるのだ。それは「島ニンニク」である。

全国的には聞きなれない「島ニンニク」かもしれない。しかし、離島の多い鹿児島では一般的で、塩漬けにして楽しむ家庭が多い。奄美大島各地に島ニンニクはあるが、宇検村の「さきばる地区<阿室、平田(へだ)、屋鈍(やどん)の3集落の総称>」の島ニンニクは小ぶりで粒も小さい。ふつうのニンニクの半分から3分の1の大きさだ。そして南方系のためか香りが強い。この地域の在来種であり伝統野菜でもある。秋に植えて春の収穫をめざす。ずっと以前は、沖永良部あたりから買いつけに来るほどの島ニンニクだったが、後継者不足で少し先細り気味になっていた。しかし、このところ、後藤さん始め、村おこしの面々の活動で徐々に持ち直している。

島ニンニクは生命力が強い。収穫後の処理を急がないと、またたく間に芽が出てしまう。つまりは、そのままでの販売が非常に難しい。そこで思い立ったのが加工である。加工場を作って、後藤さんの島ニンニクへの情熱はさらに高まった。島ニンニクは自分の畑で栽培するとともに、近所の農家と契約して生産している。柑橘と同じく無農薬・無肥料でと、あくまでも自然に寄り添っている。

「島ニンニクで地域おこしを」。後藤さんの新しいキャッチフレーズだ。島ニンニクの加工品を作る過程で雇用が生まれ、販売することでお金が生まれる。つまりは地域の経済が回ることになる。

これまで作り上げた島ニンニクの商品は「ざくざく島ニンニク」と「島ニンニク3兄弟」である。

「ざくざく島ニンニク」は、粗く刻んだ島ニンニクに、なたね油を使った商品。

「島にんにく3兄弟」は、島ニンニクを利用した3本セット。

商品については<スミューファーム:Smew Farm>のHPに詳しいので割愛する。少しばかりPRめいたことを言わせてもらえるなら、「島ニンニク3兄弟」の、兄か弟かは分からないが、弊社の車えびを使っていただいている。車えびが役に立てて良かった。

後藤さんは、島ニンニクは「素材を引き立てる名脇役」と位置づけ、村内の産物とのコラボをいくつも試作中だ。例えばシイタケ、例えばモズク、といったぐあいだ。ヒット商品の誕生を期待しよう。

最後に、「島ニンニク3兄弟」はこのほど宇検村のふるさと納税の返礼品に指定された。

さらに最後に。後藤恭子さんは、先月、個人で鹿児島県知事賞を受賞した。地域貢献活動表彰ということである。後藤さんたちの阿室校区活性化対策委員会は、一昨年、天皇杯を受賞しており、再びの快挙である。

<文:えびおじさん>

加工場の前に立つ後藤恭子さん

 

島ニンニクと畑 < ご主人が草取りに余念がない ずっと先の青い服の方 >

島ニンニク3兄弟

一覧に戻る→