活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

えびと、男と、ひとり酒

2019-11-12

酒を呑むにあたっての心構えとか、そういったヤカマシイ話ではない。ただ単に、どういうふうに呑むかという話である。

えびおじさんの友人は大変なえび好きである。茹でたえびの殻をムキムキしながら酒を呑むのが至福のひとときらしい。えびおじさんにしてみるとありがたい話である。感謝状ものだ。ただし、手が汚れてしまうのが難点だ。新婚のころは、女房殿に「おい、今、えびが口の中にいるから酒のコップを口まで持ってきて!」と頼んでいたが、今はとてもそんなことは言えない。無視されるか、反撃を喰らうか、である。

友人は考えた。この旨いえびと酒を誰にも文句言われずに味わうにはどうすればよいのか?

そこで登場するのがストローなのである。えびを剥きながらストローで酒をチューチューやるのだ。さすがにこれは公衆の面前ではできない。あくまでも家の中での話だ。外でだと、奇異の目で見られるのは明らかである。味はどうだろうか。友人によれば「ストローの酒もなかなかうまい」ということだ。酒と茹でたえび。琴瑟相和し、の風情なのである。このときの酒は冷や酒である。

ストローが似合うのは日本酒だけだろうか。ビールはちょっと難しいような気がする。あれは泡を楽しむものでもある。焼酎はいけるかもしれない。あまり度数の高い酒はストローでは刺激が強そうである。それにしても、こんな呑み方には日本酒メーカーの方が機嫌を損ねるかもしれない。

えびを事前に剥いておいたらどうだろう。すでに剥いてあるものを食べるのと、剥きながら食べるのと味に大差なしと思うのだが。手も汚れない。しかし、そこはそれ、枝豆を食べる時、サヤごと口に持ってきてプリッと中身を取り出すのが楽しくおいしいという理屈である。カニもそうだ。全員が会話を中断し、ああだこうだ、と独り言をつぶやきながら剥いていく。そこに醍醐味があるのだ。最初から身を取り出して並べてあったらおもしろくもなんともない。剥きながら食べていく。この種の食べ物への礼儀であり作法というものである。

蛇足ながら、ストローのライバルとして口移しというものがある。江戸の川柳にも「下戸なれど口移しなら呑める酒」と。男はいつの時代も変わらないものらしい。女性の呆れ顔が見えるようである。

しかし、口移しも恋愛や新婚のうちだけだろう。「あれから40年・・・」となった今では考えるだけでも恥ずかしい話だ。この手のあそびはまだ十分に分別がついていない年齢だからできるのである。結婚とて同じかもしれない。

ストロー酒や口移しの酒で茹でえびはいかがだろうか。結婚式の余興に・・・。カンパ~イ。   (文:えびおじさん)

 

冷や酒が旨そう ほろ酔いの友人が写真を送ってくれた

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