活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

 我ら わんぱく7人組

2019-07-16

「すくすくと育て玉黄金 成長して為になれ島の宝」。宇検村出身の 渡 武彦(わたり たけひこ)氏の言葉である。渡さんは、建築技師として多くの建物の建築に携わった。また、実業家としても活躍し、奄美の発展や戦後の復興を支えてきた。明治、大正、昭和を生き抜いた渡さんは、平成2年に92歳の長寿を全うした。

この言葉の中身は説明するまでもない。子供は島の宝である、そして、その宝が健やかに成長することを願っている。万葉集には、山上憶良の、子供を慈しむ歌がある。憶良は家族思いで子供が好きだったようだ。渡さんも同様だった。仕事で多忙な中にも、子供が大好きで村のどの子供も分けへだてなく愛したのである。

さて、宇検村には、7つの宝を持つ夫婦がいる。7つの宝、つまり7人の子供である。湯湾集落に住む、平 康樹(たいらこうき)さんと愛美(あいみ)さんだ。平さん夫婦には、小学4年生から1歳まで7人の子供がいる。7人は、男の子2人、女の子5人だ。

子供たちは、上から順番に、結愛(ゆな)ちゃん、琉樹愛(るきあ)君、来愛(くれあ)ちゃん、樹愛(じゅな)ちゃん、愛樹斗(あぎと)君、音愛(おとは)ちゃん、愛樹音(なみね)ちゃんである。3人が小学生、4人が保育所に通っている。7人の名前に「樹」と「愛」がちりばめられているのがお分かりだろう、いずれも夫婦で考えての命名だ。ただ、7番目の愛樹音ちゃんだけは長女の結愛ちゃんが命名者だ。「私も参加したい」との、たっての希望だったようだ。

えびおじさんのような年齢になるとなかなか人の名前が出てこないし、そもそも覚えきれない。お母さんの愛美さんはどうだろうかと聞いてみたら、名前を間違うのはしょっちゅうとのことだ。

少子化が叫ばれる中、この7人の宝は快挙というべきだろう。一方で、7人の子育てはいかにも大変だと想像する。しかし、愛美さんは「周りからも、大変だろうと問われるが全く苦にならない。とにかく子供が大好きだから。」とあっさりと応じる。康樹さんも同様で、子供が大好きで、子供に囲まれて暮らすことに満足している。ここには、現代の病理とも言える、育児ノイローゼによる幼児虐待などとは無縁の、「子育ては楽しい」の世界がある。

「楽しさ」はえびおじさんにも大いに理解できた。ご家族の写真撮影にお宅に伺った際にも、それはそれは賑やかだった。7人が庭を走り回る、木や電柱に登る。ボールを投げる。女の子がえびおじさんに飛びかかって来る。「あそこまで、おぶって歩いてみて。」腰痛に悩むえびおじさんにはやや難行苦行である。呼び方もいつのまにか「じいじ」になっていた。写真撮影の「みんな、一列に並んで」の声かけを何度もせざるを得なかったのである。

7人の子供の母親といえば肝っ玉母さんを想像してしまうが、愛美さんはまだまだお嬢さんのような楚々とした方だ。康樹さんもムキムキマンといったわけでもなく普通のお父さんである。夫婦は共働きで、愛美さんは村内の養殖場(残念ながら弊社の養殖場ではない)で、康樹さんは近くのレストランで働いている。

7人のふだんの様子はどうかと聞いてみた。予想通り、きょうだいげんかは日常的な光景で、取っ組み合いのけんかもあるし夜の布団の取り合いもある。皆が寝静まると、一日が終わったと、夫婦はホッとする。

けんかの反面、皆、心優しい子供たちばかりだ。そして、お兄ちゃん、お姉ちゃんが、下の面倒をよく見る。遊びはもちろんのこと、風呂に入れて洗ってやったり、勉強も教える。また、洗濯物の畳み方を教えるなど、お手伝いも今や朝めし前だ。

人見知りは全くないそうだ。そりゃそうだろう、初対面のえびおじさんへの体当たりはそれを示している。3人集まれば社会が生まれるというが、兄弟・姉妹7人が切磋琢磨することで自然と社会性が身についてたくましい存在になっていく。

長女の結愛ちゃんは、一度だけ、島外の親戚の家に遊びに行ったことがある。船や電車、街並みにびっくりしたという。また行ってみたいらしい。テレビやデジタル機器で都会の情報に触れている他の兄弟・姉妹も同様に興味津々だろう。いずれ、この子たちがこれからの令和の時代を切り開いていくのである。この元気ぶりを見ていると、つくづく頼もしく思う。大きな瞳の7人の子供たちである。将来は、奄美のために、そして世界に飛躍して欲しい。  (文:えびおじさん)

追伸)

先日、平さん一家は家族揃って村内で夜のドライブを楽しんでいたところ、ハブに遭遇した。愛美さんは、すかさず、車に載せてあったハブ捕り器を取り出し、みごとにこれを仕留めた。やはり肝っ玉母さんの素質十分なのである。

追伸の追伸)

できあがった原稿の確認のため、平さんと電話で話をしていたら、「実は、夕べ、自宅の近くで、妻がまたまたハブを捕まえました。これまでの中で一番大きいです。まだ、玄関の<ハブ箱>の中に入っています。今から役場に持っていきます。」とのこと。奄美では、役場や関係機関が、ハブ対策として、捕まえたハブを引き取ってくれるのだ。それにしても「すごい」の一言である。

全 員 集 合

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