活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

エビフライだよ!人生は

2019-02-25

日に日に温かくなっていく。毎日、タンカンを食べている。日に、10個くらいだろうか。えびおばさんは少々あきれ気味である。

そんな折、永年の知り合いから原稿をいただきました。書き手は、鹿児島出身の落語家「桂 竹丸 師匠」。えびに関する文章です。落語のリズムで書いて下さいました。黙読もよろしいですが、ぜひ音読を試みてください。高座に上がった気分になりますよ。

 

子供のころ、外食が今ほど日常的ではなかった時代に、洋食屋さんで、とても楽しみだったのが、オムライスとエビフライでした。特にエビフライは、コロモの中に、プリンプリンとえびの食感があり、幸せ100%でした。美味かったなあ~。お子様ランチには、旗のそばにエビフライが、ちょこんと、その存在を主張していましたね。

落語家になって、東京・新宿の末広亭の隣りに、「あづま」というレストランがありました。ここの「エビフライランチ」が950円でした。前座修業中は手が出せず、先輩のごちそうで、やっとありつける、それはそれは、至福のひとときでした。

古典落語「浮世床(うきよどこ)」の、マクラ、いわゆる噺の導入部のところですが。床屋さんの看板にえびが描かれている。店の中にもえびの絵が飾ってあって、客同士で「あのえびは生きているみてえだ」「イヤ、死んでるよ」と揉めている。もう一人が「ありゃ、病に冒されているぞ!」「なぜだい?」「床についている!」なんて話がありますが、昔から日本人はえびを好んでいるんでしょうね!

えびには、食用の、伊勢えび、車えび、桜えび、ボタンえびなど。また、外国産だと、オマールエビ、ロブスターがあります。観賞用には、オトメえび、テッポウえびなどがあり、さまざまなえびが日本人を楽しませてくれます。

また、ことわざにも「えびで鯛を釣る」なんてのがございます。少しの元手や労力で大きな利益を得ることですが、略して「エビタイ、エビタイ!」と申します。

エビタイで思うのは、東南アジアのタイ国はえびの輸出国でして、日本もバナメイえびを輸入しております。タイ料理で欠かせないのが「えび」でして、世界3大スープの「トムヤンクン」、焼きえびの「クンパオ」、えびチャーハンの「カオパックン」、ナンプラーをかけた活きえびの「クンチューナンプラー」などがあります。ちなみに、タイ語でえびのことは「クン」と言います。東京のOLさんは、お昼どきともなりますと、タイ料理屋を占拠していますよ。

タイにあるムーガタ屋という、焼肉食べ放題の店では、どういうわけか、えびばかり食っている人もいますね。あのえび味噌もいいですねえ。えびはいいけど海老名家はいかがでしょうか(笑)

戦国時代、群雄割拠のあの時、部将たちは縁起を担いで「トンボ柄」のものを身につけて戦勝を祈ったものでした。なぜならば、トンボは前進のみ。つまり、後退しないのが好まれたのでした。逆に、えびは後ろに下がるので、戦での退却は負けを意味して「ノーサンキュー」だったんでしょう。

でも、えびって、威勢がいいし、ピチピチしてますよ。みなさん、どうでしょう。今の時代は「行け行けドンドン」より、えびのように「一度、戻ってみるのも良し」ではないですか。過去に身を置くことで未来が見えてくる、なんてこともありますよ。そうすれば、社会が、人生が楽しくなるんじゃないですか?

えびを食べながら、そんなふうに思った 桂 竹丸、62歳の今日この頃です。


桂 竹丸  師匠

音読なさっていかがだったでしょうか?ある識者は「黙読は知識、音読は体験」だともおっしゃって、音読を大いに勧めておられます。桂竹丸師匠は、古典落語の伝承とともに、新作落語の創作に余念がありません。歴史に関する豊富な知識をもとに、戦国武将や西郷隆盛を扱った落語、また「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメ(とりはま トメ)さんを題材にしたものがあります。2014年には、タイのバンコクの大学で、タイ語による落語を披露なさいました。国を超えて、落語の可能性に挑戦していらっしゃいます。

(文:えびおじさん)

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