活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

ゴールデンタイム 「西郷どん」は焼酎を呑みながら

2018-11-27

大河ドラマ「西郷(せご)どん」もいよいよ終盤にさしかかった。この春に本欄に登場してくれた、私の友人塚元君が、「西郷(せご)どん」への思いを再び語ってくれた。

再放送を含めて3度観るという塚元君の「西郷どん」への熱愛・偏愛ぶりはお伝えしたが、やはり、気合を入れて観るのは、日曜日午後8時からの本放送である。農業を営む塚元君、この時期は田んぼの見回りなど帰宅が遅くなることが多い。夕方のBSの先行放送だと、途中から観ても気持ちが乗り切れなかったりする。やはり8時の時報とともに、テーマ音楽からじっくりと楽しみたい。繁忙期のBS放送はおもに録画のためのもののようだ。

田んぼから帰る。シャワーを浴びて気持ちを切り換える。西郷さんだったら、連れている愛犬ツンの足も洗ってやるのだろう。焼酎を準備しテレビの前におもむろに座る。「西郷どん」に対峙する。この手順が西郷隆盛への塚元君の礼儀である。

テレビの前に鎮座する。塚元君、さっそく焼酎の水割りを傾けながらカツオのタタキを食する。焼酎の肴(さかな)はカツオのタタキや鶏の刺身であったりする。

8時。いよいよ「西郷どん」の開始である。ハッケヨイに始まり鹿児島の名所の数々がテンポ良く展開される。テーマ音楽の迫力と相俟ってなんとも心地よい。名所の映像は数ヶ月ごとに交代している。知らなかった場所もある。「途中の白波の怒涛のアップはおそらく明治維新を表現したものだろう」、焼酎の手伝いもあって、塚元君はすでに高揚している。

「撮影がうまい」、「ストーリーがちょっと違うのでは?」と、塚元君は、テレビにチャチャを入れながら、今度はキビナゴの刺身を酢味噌で頬ばる。鹿児島らしいつまみが続く。焼酎が進まないはずがない。いつしか、吉之助さぁや一蔵どんと杯を交わしながら日本の行く末を語り合っている・・・  維新の志士になりきって、ゴールデンタイムならぬゴールデンな気分なのである。トイレにも行けない。でも、我慢できる。

塚元君は、ふと、「西郷どん」の講演会での時代考証の先生の話を思い出す。「確かに史実に忠実ではないかもしれないが、史実をもとに女性の視点から見た西郷さんのヒューマンドラマである」と。まことにその通りである。ただ、篤姫役は宮崎あおいさんのほうが良かったのでは、と塚元君。宮崎あおいさんが大好きなのだ。私は、配役通りの北川景子さんで充分なのだが。

塚元家の仏壇には、昔から、先祖の写真とともに西郷さんの肖像画があった。小さい頃は、西郷さんも先祖の一人かと思っていたという。なかなか大胆だ。塚元君、あとから家人に聞いたところ、そういう肖像画を売り歩く行商人がいたとのことだった。

そう言えば、私にも思い出がある。ずいぶん以前のことだが、鹿児島県のある役場に行ったおり、掲げてある歴代村長の写真のトップバッターは西郷さんの肖像画だった。「そんなはずはないがなぁ」と理由を聞くと、「顔つきがそっくりだったということで掲げさせてもらっている」との回答であった。写真があまり一般的でなかった明治の頃のことである。

テレビの「西郷どんの面白さは?」と問われて塚元君は立ち止まる。悩んだ末の答は「平成の水戸黄門なのだ!」である。説明してくれた。確かに勧善懲悪のドラマではないが、「西郷どん」は加治屋町の貧乏郷士から、2度の島流し、3度の結婚を経て、明治維新の主役になっていく。そこが、水戸黄門の、ちりめん問屋一行が街のイザコザに巻き込まれて、若い娘を救い、活躍・大暴れして、最後は印籠をかざして大団円となる、そのストーリーと重なるのである。

ゴールデンタイムに、「西郷どん」のゴールデンストーリー、そして、鹿児島らしく、焼酎と特産の肴を食する。塚元君のゴールデンなひとときなのである。(文:えびおじさん)

追伸 ヒカンザクラ 季節はずれの花が咲く
宇検村の中心部にあるこの桜、ヒカンザクラだと思っていたが、どうもそうではないらしい。正確なことがよく分からない。ヒカンザクラの系統ではあるような ので、ここではヒカンザクラとしておきたい。
撮影したのは11月初めのことである。台風の影響だろうか、季節の流れに乱れがあり生育に影響があったのだろうか、ヒカンザクラが満開に近いのである。ヒカンザクラは、本来なら1~3月の花である。秋の季節にまれに返り咲きが見られるが、このようにほぼ満開になるのは珍しい。

 

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