活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

台風に負けずに

2018-08-23

台風常襲地帯の奄美に、強い台風19号がやってきた。今年の台風は、12号に代表されるように、変わった進路を取るものが多い。それゆえ、これまであまり台風に縁のなかった地域にも大きな被害をもたらした。

今度の19号は、まともという表現はおかしいが、まずまず普通の進路でやって来た。海水温がまだまだ高いのだろう。奄美に近づいても勢力は衰えない。台風のエネルギーは水蒸気である。950ヘクトパスカル、中心の目もしっかりしている。

私の経験では、どういうわけか、台風は夜やって来るものなのである(もちろん、そうでないのもあるが)。今回も、それに違わず、夕方から深夜そして朝にかけて、ゆっくりと奄美の北の海上を、太平洋から東シナ海へと通過して行った。まるで、ゴジラのような大きな生き物が、周囲の心配をものともせずに、悠然と歩いていく感じだ。

奄美大島の台風の風の凄まじさは尋常ではない。本土とは比べものにならない。少し大げさだが、以前、棕櫚(しゅろ)の木がほぼ直角に曲がるくらい撓(しな)ったのを見たことがある。雨も心配だ。こちらも半端ではない。

農業や漁業などの1次産業にとって台風などの自然災害は脅威だ。場合によっては壊滅的な打撃を蒙る。宇検養殖は、奄美大島の南西部にあり外海に近い。身構えてしまう。現場は台風の準備に大わらわだった。養殖池の設備を確認し、事務所の建物の補強を施した。自然と闘うのは無意味だ。ひたすら守りを固めてじっとしているに限る。

事前の準備が奏功したか、瞬間的な停電はあったものの、大きな被害はなかった。幸いだった。しかし、奄美大島全体を見渡すと、けが人が出たり、建物が被害を受けたりしていた。19号は、昼前になっても、奄美大島の北西の海上にあった。「早く行ってくれよ」と、ゴジラのしっぽを踏みたくなった。

しかし、この時期で19、20号というのは異常な数である。新聞によると、発生ペースが史上2番目だという。熱帯地方の海面水温が高いのが主な原因らしい。それと、やはり、地球の温暖化だろう。9月、ときには10月後半まで、奄美には台風がやって来るが、今年は、それ以上かもしれない。

「台風に負けないようにがんばれよ」と養殖池の車えびたちにいつも言い聞かせている。けさも、車えびたちはコクンとうなずいて、池の底に逃げて行った。  (文:えびおじさん)

 

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