活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

楽しみかた

2018-05-28

奄美は5月7日に梅雨入りした。いつもの年より少し早い。

ある大学教授が「世の中に五月病が存在するのは、祝日のない6月のせいである。次の楽しみを見い出せないからだ」と新聞に書いていた。「だから6月に祝日を作れ」と。経済活動にも好影響を及ぼすだろうと結んでいる。なるほど、そういう側面もあるかもしれない。しかし、ずいぶん飛躍するものだ。休みを増やす必要はあまり感じない。日本には祝日が多すぎる。楽しみは自分で作り出せばよいのではないだろうか。

楽しみは、人それぞれである。私のこの時期の楽しみは、春先のたけのこ掘りと梅雨まぢかの梅ちぎりである。土の中からちょっと顔を覗かせたたけのこを掘り進む。なかなかの重労働ながら、採りおえた充実感は何ものにも替え難い。梅はその緑色が美しい。肌を傷つけないように一個一個をていねいにちぎっていく。青空の下での楽しい作業である。たけのこはこのところ不作続きだが、今年もそうだった。しかし、梅は豊作で十分楽しんだ。

たけのこも梅も、市場や店頭に出すわけではない。喜んでくれる親戚や知人に全部差し上げる。その笑顔が私の喜びでもある。この時期の週末はいつも忙しい。つまり週末を楽しみに日々を過ごしていることになる。この趣味の最大の欠点は時期が限られていることだ。もし、たけのこや梅が一年中あったら、私は、こちらに本業を移すだろう(笑)。しかし、そうなると仕事(労働)ということになり、あまり楽しくないかもしれない。採算や出来不出来を常に心配しなければならない。掘ったり、ちぎったりの行為そのものが楽しいのである。趣味のレベルに留めておいたほうが無難であろう。

季節の花に楽しみを見い出すのも五月病対策になるのではないだろうか。花は日々成長し、つぼみから花へと大きくなっていく。成長に胸ふくらますうちに日々が楽しく過ぎていく。さいわい、温暖湿潤な日本列島には花々が揃っている。梅、桜、藤、まもなくねむの花・・・と。自分の花でも、名所・公園の花でも構わないだろう。

奄美の今は月桃(げっとう)の花である。雨に濡れてしとやかに咲いている。「立てば芍薬(しゃくやく)・・・」の伝でいけば「しっとりたたずむ月桃花(げっとうか)」である。楚々とした姿に心引かれる。

休みに関して、少し脱線する。私たちの学校時代は、半ドンだった。土曜日は午前だけの授業。仕事場もそうだった。授業のあと、家に帰りつくまでの、午後の数時間が楽しみだった。今日は何をしようか?遠回りをして、同級生の家に寄ったり、小川で川えびを取ったりした。楽しい道草だった。先生からは道草は止められていたが、どこ吹く風だった。

同じような思いを持つ同世代の友人がいて「半ドンの復活を」と懐かしんでいる。学校にも家庭にも属さないこの自由な時間は、子供心に、かけがえのない珠玉の存在だったと記憶している。現在の週休2日制度は、学校か休みかの両極である。デジタル風に言えば、0か100の厳密さである。どちらでもない、50~60のアナログさもあってもよいのでは。  (文:堀之内)

梅雨の晴れ間の宇検集落

豊作の梅(宇検村ではなく、私の実家の薩摩川内市です。)

宇検養殖の敷地に咲いた月桃の花。まだ、つぼみです。

徐々に咲いていきます。

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