活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

 卒業式

2018-03-22

前回の話題に関して、私の友人から「塚元さんは、せごどんストーカーなのですね(笑)」とMailがあった。なるほど、うまいことを言うなと妙に感心した。今年は明治維新150年だ。今、せごどんが聞いたら「ストーカーとは、なんでごわすか?」といった会話がなされるかもしれない。

さて、強かった冬の季節風が収まり、奄美に春がやってきた。写真は、焼内湾(やけうち わん)だ。湾の入り口付近である。真ん中にドンと収まっているのが枝手久島(えだてくじま)だ。島の向こう側は東シナ海だ。東シナ海も焼内湾も波がほとんどなく穏やかな海だ。「ひねもすのたりのたりかな・・・」である。波静かな海を見ていると、こちらの気持ちまで和んでくる。鼻歌のひとつも出てきそうだ。

同じ日、うららかな陽射しの中、地元の久志(くし)小中学校で卒業式があった。宇検村立 久志小中学校は、小学校と中学校の併設校だ。この春の卒業生は、小学生と中学生がそれぞれ1人ずつだ。

卒業式には、保護者のみならず、地域の方々も大勢参加する。子供は地域の宝であり、地域の未来だ。学校は地域の象徴なのだ。凛(りん)とした空気の中、式が進んでいく。卒業生、在校生の一挙手一投足が立派である。きびきびとしている。送辞、答辞の挨拶も素晴らしい。先生方の指導のもと、生徒たちが何度も練習したことがうかがえる。

先生方は、生徒たちを丹精込めて育ててきた。授業だけでなく、テニスなどのクラブ活動でもそうである。また、夕方、日の暮れる頃、鬼ごっこをして、先生や生徒たちが校庭を走り回る光景がよく見られた。近所に住む私たちは、学校から聞こえてくる子供たちの声に安らぎを覚えたのも事実だ。

学校を去っていく卒業生たちが、答辞の中で、新たに最高学年になる後輩に対し「小さな後輩たちをうまく引っ張っていってくれ」と、リーダーのバトンを渡していたのが強く印象に残った。「仰げば尊し」「校歌」に続き「ひまわりの約束」を歌って卒業式は終った。会場一杯の拍手だ。卒業生を先導して退場する先生方の目には光るものがあった。

奄美大島の、海辺の小さな学校の卒業式。まるで、小豆島が舞台の、壺井栄の「二十四の瞳」のようだと思っていたら、「卒業生を含めて生徒たちの数はちょうど12名。まさしく二十四の瞳です」と、式のあと校長先生が教えてくれた。

小豆島と奄美大島、昭和と平成。場所や時代は異なる。しかし、先生と生徒の信頼関係、先生から生徒たちに降り注がれる愛情は、場所や時代を問わない。あの小説や映画が、まさに、この学校で展開されているように感じた。「二十四の瞳」は、戦前・戦中の暗い時代の設定だ。子供たちは時代の波に否応なく巻き込まれていった。「現代の二十四の瞳」たちは戦争とは無縁だ。将来、さまざまなことに出会うだろう。楽しいこと、そして辛いことも待っているかもしれない。辛いことがあっても、ぜひそれを乗り越えていって欲しい。

がんばれ、久志っ子。         (文:堀之内)

 

 

 

 

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