活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

アメリケーヌ・ソース

2018-01-22

不定期で、且つ、言いたい放題のことを書いている。大いに反省である。そこで今回は、外部の方に書いていただくことにした。

友人の羽山貴浩(はやま たかひろ)さん。羽山さんは鹿児島の雑誌「LEAP」の編集長だ。私の頼みを聞いて、車えび料理に関する文章を寄せて下さった。ところで、私は、LEAPとは、単語の頭文字を連ねた造語かと、つい最近まで勘違いしていた。れっきとしたひとつの言葉である。英和辞典によると「跳ぶ」である。鹿児島で言うところの「泣こよか、ひっ飛べ(泣くよりも跳んでしまえ)」を踏まえての命名だろう。その名の通り、鹿児島と宮崎にしっかりと根を下ろして勇躍している雑誌である。

私(堀之内)は、車えびの養殖に携わっていながら、食べ方に関してはとんと無頓着だ。私の食べ方は、焼くか、ボイルか、活きえびの刺身か、くらいだ。これ以外にも、たくさんあるだろうことは容易に想像がつく。不勉強である。羽山さんは、はるかに私の想像を超えて、えび料理の達人であった。早速、登場いただこう。

タイトルは「今晩の食卓を温かく彩るエビのアメリケーヌ・ソース」である。

しゃれたタイトルだ。しかし、私と一緒に焼酎を酌み交わす男が、なぜか、横文字なのである。どうも、焼きえびレベルの話ではないらしい。そもそもアメリケーヌとは何だ? 「アメリカ風」の意なのだろう。辞書によると 「アメリケーヌ・ソースSauce Américaine)」と出ている。「フランス料理のソースの一種で、エビの殻を炒めることで、甲殻類独特の甘味とコクが堪能できる、オレンジ色のソース。魚介類全般によく合うソースとして知られている」 と書かれている。う~ん、えびの殻を炒めるとは!  私の食の範疇にはない料理法だ。

以下、羽山さんの文章である。

エビの魅力ってどこに感じますか?プリプリした歯ごたえとほのかな甘み、赤と白の美しくも柔らかな曲線美、そして食卓の主役を務めることができる高級感。どれを取っても心揺さぶられますよね。
でも、僕がエビに恋したわけは、その香りです。間違いなく、おいしくて、さりげなく上品。その香りをたっぷりと隠し持っているのが、食べる時に、外されてしまう殻と頭の部分です。エビの贅沢な香りを思う存分味わいたい時にお薦めしたいのが「アメリケーヌ・ソース」です。

 

基本的な材料は、お頭つきのエビとトマト缶、生クリーム。あとはオリーブオイルと少しの白ワイン、ニンニクがあればOKです。エビは殻をむいて、頭を軽くつぶしておきましょう。もちろん身の方は背ワタを除くことも忘れずに。

そしてここからがエビの香りを抽出する儀式の始まりです。フライパンにオリーブオイルを敷き、刻んだニンニクを入れ、香りが立ったらエビの殻と頭を投入!(エビの身は仕上げの際に使うので、一旦、冷蔵庫へ・・・)。 火が通ると、殻だけになったエビも赤く染まっていきます。キッチン周辺に漂うのは食欲をそそる香り。

続いて、白ワインを少々、さらにトマト缶を入れて、エビの旨みと香りをとことん取り出しましょう。しばらく煮立たせたら、エビ殻+トマトの情熱で真っ赤に染まったダシをしっかりとザルで漉(こ)します。その時にエビの殻や頭などをギュギュっと押しつぶして、旨みを絞りとっちゃいましょう。

この濾(こ)したソースを少し煮詰めながら、生クリームを加えて、砂糖・塩・胡椒で味を調(ととの)え、完成直前に主役のエビを投入。エビに火が通って鮮やかな紅白の縞模様が見えたら完成です。

パスタのソースにしても美味しいですし、簡単バターライス(炊き立てご飯にバターを混ぜただけ)と合わせても贅沢! 鮮やかな色と贅沢な香りがご馳走のアメリケーヌソース。 ぜひ試してみませんか? ワインとサラダを合わせれば、食卓はレストランに変わるはずです!

材料(4人分)

車えび・15匹程度  白ワイン・大さじ3杯 トマト缶・250㌘

生クリーム・180ml  ニンニク・少々   砂糖・塩・胡椒 少々

写真:羽山さん撮影

 

堀之内:雑誌の編集長ともなれば、あらゆるジャンルに守備範囲が広い。「食」もそうなのだろう。それにしても、写真や、文章を読むだけでも、おいしさが伝わってくる。 寒いこの季節にぴったりの料理だ。 焼きえびの香りが主流だったわが家の食卓でも、このアメリケーヌ・ソースを試してみたくなった。 妻に頼んでみよう。 どんな反応を示すだろうか? 私にできることは、酒の準備だけだ。

 

 

 

 

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