活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

車えびの取り上げ始まる

2017-11-24

暴行事件や立ち合い不成立アピール問題など、大相撲の九州場所は、ある意味、話題満載だった。さほど相撲に詳しくない私でも、テレビやラジオに釘付けだ。負の話題が多い中、若手の台頭という明るい話題もあった。これまで名前を聞いたことのないような力士が昇竜のように現れる。もちろん好角家は、ずっと以前から目をつけているのだろう。九州場所は、1年の締め括りにしては苦々しい場所だった。初場所は、若手もベテランも元気に活躍して欲しい。もちろん土俵の上でだ。

写真:未来の横綱の勇姿 脇田大作さんの三男 慄生くん(りお君、2歳) 宇検村・生勝(いけがち)集落の豊年祭で。

さて、私たち宇検養殖の車えびの取り上げが始まった。稚えびを養殖池に放流してから3カ月経っている。季節の移り変わりとともに車えびは大きく育った。途中、台風もいくつかやってきた。本土に比べて、この付近を通過する時の台風は強烈だ。幸い大きな被害はなかった。宇検村のきれいな海の水や空気の中で育った健康体だ。

取り上げ作業は、毎朝、暗いうちから始まる。空には、まだたくさんの星が瞬いている。南の奄美大島でも、冬場の北風はかなり冷たい。養殖池に数隻の小舟を滑らせていく。昨日のうちに仕掛けておいた数百ものカゴ網を養殖池から引き上げるのだ。たくさんの車えびが入っている。重くてなかなかの労働だ。しかし、若者たちの数カ月の労苦が報われる瞬間でもある。

今度は、取り上げた車えびを選り分けていく。8つもの段階に分けるのだ。1尾ずつの手作業だ。私のような新人(?)には見分けが難しい。ベテランたちは何の苦もなく、たくさんのえびをどんどん捌いていく。それこそ、目にも止まらぬ早わざだ。これは特別の才能ではないかと思うのだが、当人たちは「長年の慣れです。要は、指に触れた時の感触です。」と、こともなげに言う。幾多の試行錯誤から導き出された結論なのだろう。しかし、重さや大きさといった数値化できるものならともかく、感触とは、これまた、難しい。彼らの手は、いつのまにかセンサーと化してしまったのだろうか。私は、もし「全日本 車えび選り分け選手権」なるものが存在したら、宇検養殖の選手たちが上位を独占するだろうと妄想を抱いている。

「選り分け」の次は「箱詰め」だ。大忙しだ。まもなく、空港まで運ぶトラックがやって来る。奄美空港から、飛行機で、東京や大阪、名古屋などのほか、全国の魚市場に運ばれていく。

車えびは、新鮮さ、おいしさもさることながら、熱を加えた際の色が喜ばれる。日本人にとって赤はお祝いの色だ。近所の魚屋さんで、宇検の車えびを見かけたら、ぜひ味わっていただきたい。取り上げは来年5月まで続く。(文:堀之内)

写真:車えびの選り分けの様子 プリッぷりの車えび 赤はお祝いの色。

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