活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

「せんば」「やらんば」「きばらんば」

2017-10-10

 

「せんば」「やらんば」「きばらんば」。この3つの言葉は、宇検集落の釣り仲間から最近覚えた言葉である。意味は、だいたいお分かりになると思う。「しなきゃ」「やらなきゃ」「がんばらなければ」という、周囲から、もしくは自分自身への励ましの言葉である。そして叱咤の声でもある。

この言葉がこの地の純粋な方言なのか、それとも、それに基づいての造語なのか、詳しい説明は受けていない。この言葉を多用し、且つ、私に教えてくれたのはUさんだ。船酔いしそうだからと釣りに行くのを躊躇する私に、Uさんは「きばらんば」と背中を押してくれる。

私はこれらの語感がとても気に入り、ときおり使わせてもらっている。3つの言葉には、語尾に「んば」が使われる。「ん」は、あいうえお順の一番最後に来る音だ。尻取り遊びには使いにくい音だ。ただ力強さを持っている。市販の薬を思い浮かべていただくと、「ん」が多いことに気づかれるだろう。「ん」は人の腹にグンとくる。収まりが良いのだろう。「ば」は破裂音(はれつおん)と言い、唇を閉じて一気に開く音である。これもまた力強く、さらに言えば、後から追い立てられるような気がする。「んば」はその気にさせる言葉なのだ。

「その気にさせる」言葉で有名なのは、某酒類メーカーの先達の「やってみなはれ」だ。これに後押しされて多くのヒット商品が生まれている。鹿児島版では、枕崎市で開催されるイベント名が「きばらんかい」、鹿児島出身の歌手の歌に出てくるのが「きばいやんせ」だ。

「せんば」「やらんば」「きばらんば」と3つに分けてそのつど使うよりも、「せんば、やらんば、きばらんば」と立て続けに言ったほうが気持ちがよい。景気が良い。本来が、ほぼ同じ意味なのだから。

私などは、怠け者で、課題を先送りする悪い癖がある。歳を重ねても、なかなか直らない。やるべきは「今でしょ!」なのだが。この「せんば、やらんば、きばらんば」は、気持ちが緩くなりがちな自分に気合を入れてくれる魔法の言葉だ。単純明快、小気味よさに、社是に掲げたらと思う次第だ。はたして、従業員たちがどういう反応を示してくれるだろうか。

奄美にも少しずつ秋の気配が忍び寄り、宇検養殖もそろそろ収穫の季節だ。忙しい時期を迎えることになる。怯むことなく「せんば、やらんば、きばらんば」である。  (文:堀之内)

写真:運動会のタイヤ回し競技での弊社従業員の勇姿  (高田、福山  左から)。

 

 

 

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