活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

天の川

2017-09-29

宇検の夕暮れはみごとだ。

「10月半ばになると、枝手久島(えだてくじま)の南の海峡に夕日が沈む、そのさまがすばらしい、その時に一杯やろう」と親しい人たちと約束した。それを楽しみに、これまた、毎晩、その人たちと飲んでいる。その日を待ち焦がれての景気づけでもある。しかし、長い道程でもある。

さて、先日も、「夜遊び経済」に貢献すべく、その友人たちと、岸壁の近くでビールを飲んでいた。ビールの「あて」はその日の釣果だ。

10月半ばでなくとも、美しい夕日だ。「世界3大夕日の町」には及ばないかもしれないが、4番目にはぜひとも加えて欲しい。

枝手久の山肌の色が刻々と変化していく。やがて、一番星が現れた。飛行機が先を急ぐように頻繁に通過していく。人工衛星もやってきた。飛んでいる人工衛星をこんなにはっきりと見るのは初めてだ。「明かりが点滅しているのが飛行機で、点滅しないのが人工衛星」と隣の友人がビール片手に教えてくれた。人工衛星の速度は凄まじい。赤い灯が、見ていて惚れ惚れする力強さで突き進んでいく。いったいどのくらいの時間周期で地球を回っているのだろうか。なんでも、これまで、世界で打ち上げられた人工衛星は7000個以上とか。

「風景を眺めながらもいいが、飛行機や人工衛星を数えながらの夕涼みもなかなかオツだな」と、今は飲んべえに堕してしまった、かつてのパイロット志望の元少年は思うのだ。

そうこうしているうちに、缶ビールはどんどん空いてしまい、空は真っ暗になった。やがて、満天の空にうっすらと天の川が現れた。

そのとき、Kさんが「あれ、天の川って、1年にいっぺん、七夕のときにだけ出てくるんじゃないの?」と、のたまった。一同「?」である。べつにアルコールのせいではないらしい。本人はいたってまじめである。

聞いてみると、どうも、「おり姫 ひこ星」のお話と自然科学の「天の川」がごっちゃになっているようだ。さらに聴くと、小さい頃から今までずっとそう思っていたというのである。60年間である。一同、「う~ん」である。

本人の名誉のために書き添えると、Kさんは、温厚篤実、常識に欠けることもなく、集落の公職も務めている。大学では語学を専攻しており英語にも堪能である。

翌日は、地域の久志小中学校の運動会だった。Kさんの母校でもある。Kさんの奥様にお会いした。昨夜の話がすでに伝わっていた。奥様と一緒に元気な子供たちを見つめながら、「人間、何かひとつぐらいは、ずっと間違えて覚えてしまっていることがあるんですね」と笑いながら話すことだった。

  •  世界3大夕日の町:フィリピンのマニラ、インドネシアのバリ島、釧路市。

 

 

 

 

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