活車えび宇検養殖株式会社

宇検だより

月桃

2017-05-25

好きな女性のタイプを告白するようで気恥ずかしいが、惚れ込んでいる花がある。それは「月桃」という花。「げっとう」と読む。ほのかに甘い感じのする名前だが、実は辛味がクセになるショウガ科の植物だ。熱帯から亜熱帯アジアに分布し、日本では沖縄県から九州南部に分布している。

白い花、というよりも純白である。先の部分にほのかにピンク色がきざしている。まだつぼみである。このつぼみがまるで桃のようなかたちをしていることから、月桃の名前がつけられたのだそうだ。一つひとつのつぼみが日を追って開いていく。月桃は、同じくショウガ科のジンジャーのように背が高く2メートルに及ぶものもある。ただしジンジャーと違って花に芳香はない。多年草で、梅雨のこの時期に花を咲かせる。

奄美ではさほど珍しい植物でもなく、山野にふんだんに自生している。そこここの道端でよく見かける。普通の光景だ。あたりまえ過ぎて、地元では、花というよりも草扱いにする人もいる。

南国の花々は派手な原色のものが多い。花々が太陽に向かって誇らしげに咲くなかで、この月桃は、梅雨空の下、うつむきかげんにしっとりとたたずんでいる。まことに上品だ。私は、数年前、奄美にやって来て初めてこの花にお目にかかった。花についてさほど詳しいわけではないが、少しばかり月桃に惚れこんでいる。しとやかでたおやかな姿がまるで京美人の趣きなのだ(京都の女性に知り合いはいないのだが・・・)。

こう書くと、奄美にはしとやかでたおやかな女性はいないように聞こえるかもしれないが、そうではない。奄美の女性もしとやかでたおやかで優しい人が多い。また男性をとても大事にする。愛加那さんがそうだったのだろう。月桃は奄美の女性を表す花でもあるのだと勝手に思っている。

私は鹿児島市と奄美大島とを毎月往復する生活だが、月桃の花の咲くこの季節は奄美にいないとじつにもったいない。昨年は道端のものを養殖場の敷地に植えてみた。丁寧に育てたせいか(見守るだけで、ほんとうは何もしなかったのだが)今年は花をつけそうだ。まだつぼみにもなっていない。いずれまもなく花が開くだろう。次回に報告したい。(文・堀之内)

奄美は5月13日(土)に梅雨入りしていよいよ雨の季節になった。梅雨入りは、平年より2日遅く、去年に比べると3日早い。梅雨明けは、平年は6月末頃である。

 

 

(写真)

上 道路脇の月桃、まだつぼみである。

中 移植した月桃、開花が楽しみだ。

下 梅雨の晴れ間の枝手久島。

 

 

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